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H27.03.03

 「ひな祭りのプレゼント」〜笑顔と温もりをもらって〜


 愛隣会には駒場苑の他にも沢山の施設があり、その中にのぞみ保育園があります。
 保育園の園児とは、七夕や敬老の際にお祝いに来てもらい、一緒に歌ったりプレゼント交換をして交流を楽しんでいます。(25.7.9一言参照)

 駒場苑にいらっしゃるHさんは子どもが大好き。手先も器用。最近毎日せっせと折り紙を折っています。すると数日前にHさんの担当介護士から
「Hさんは保育園の子供達に貰って欲しくて、お雛様の飾りとして折り紙を折っています。貰ってもらえるように手配して欲しい」と話がありました。
 私から駒場苑の補佐、のぞみ保育園の補佐へとこの話が伝わり、トントン拍子で話しが進み、先日Hさん、担当介護士、補佐、相談員、私で保育園に行ってきました。

 最初は玄関先で子どもに上げる予定が何故か盛り上がり、結局保育園のホールに園児が集合しており、そこでHさんから一人ひとりに折り紙をプレゼントし、握手をすることになりました。子どもたちからの「ありがとう」と温かい手のぬくもりにHさんの顔も自然とほころびます。
 時間にしてはたったの30分程度ですが、こういう事を企画しようとすると結構手間なことが有り、面倒が先に立ち頓挫する、継続しないということが多々有ります。
 Hさんは子どもへの想いを折り紙という形にしました。子どもたちからは笑顔と温もりをもらいました。両者の為に担当介護士は私へ要望してきました。両補佐は企画してくれました。

 ご利用者の希望を叶えてあげたい、当たり前の生活を支えていきたいと思っていますが、駒場苑だけでは出来ることに限界があります。今回がいい例で
「子どもにあげたい」と言われたら駒場苑だけではどうしようも有りません。
 他施設と交流を持つということは、抽象的に「いい関係を作りましょう」「利用者サービスの幅を広げましょう」と言うことではなく、こういった具体的な行動を通してご利用者の笑顔につなげることが大切なんだと思っています。
 


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H27.02.17

 「愛隣会の在るべき姿」〜ある女性の一言〜

 
 先日法人内に有りますあゆみ園(知的障害者の通所施設)の施設長から
「障害者の集まりが有ります。当事者、保護者、事業者、行政等人が集まるので是非来て下さい。」とお誘いを受け行ってきました。
 分科会では「障害者の高齢化」というテーマで議論がなされており、私もそこに参加したのですが、議長から
「高齢施設の施設長として意見を!」と突然振られ、肝を冷やしましたが
「障がいが有る方の高齢化としてADL低下や認知症の発症が考えられるがそういったスキルを持った職員がいるか?現在の生活施設(グループホーム等)は
そう言った環境整備ができているか?私達に求められるものが何なのか?これから一緒に考えていきたい。」と発言してきました。

 愛隣会は大きく分けると高齢、障がい、児童(保育)の3つの分野で事業を行っております。
 今までは施設単位で行ってきた事業をブロック化し、最終的には法人として一体化することを進めています。
 さて、そうは言っても専門外の分野についてはさっぱりわからないというのが本音です。
 しかしご利用者は障がいのある高齢者、障がいのある児童等いくつかの課題が重複している方もおられます。そうした時、行政区分で判断するのではなく、ご利用者の希望、特性、将来などを見据えて専門的なアドバイスや連携をとってサービスを提供してくことが求められるのではないでしょうか。

 障がい施設に通われている方が駒場苑のショートステイをご利用されています。お元気なので日中はデイサービスで入浴し、レクリエーションを楽しみますが、この分は介護保険請求出来ないので無償サービスです。こういった取り組みは非常に珍しいケースだと区の職員や障がい施設の職員に伺いました。
 先日この女性とお話する機会があり
「私は幸せです。こういった連携が当たり前になって私のように幸せな人生をおくれる人が増えていって欲しい」とおっしゃっていました。
 これが愛隣会のあるべき姿なのだと教えられました。


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H27.02.06

 「湯気の先にあるもの」〜おでんパーティー〜

 「いい匂いがするわ」「まだかしら?」「わ〜美味しそう」
 今日の駒場苑のお昼ごはんは「おでん」です。これを読んでいる皆さんにとってはなんでもない当たり前のメニューですよね。しかし特養では大変なことなんです。
 普通集団給食では直火で鍋などやりません。やけどしたらどうする?焦げたらどうする?衛生は?食べ過ぎたらどうする?だったら最初から一人ずつ皿に盛って出しましょう。ってなるんです。
 これって鍋じゃなくて単なる煮物ですよね。
 鍋っていうのは、ぐつぐつという音と一緒にいい匂いがして、蓋を取ると湯気がもうもうとしてメガネが曇り、その中に美味しそうな具材が踊ってるんです。それを自由に取って食べるんですよね。

 昨年度は機械浴を撤廃したりとお風呂に力を入れました。ですから今年度は食事に力を入れようと決めました。食事委員と話し合いながら
「冬は鍋やりたいね」という話からおでんパーティーを企画したんです。
 おでんの種も何が良いかアンケートを取り、合計10品、当日は栄養とか考えないで食べたいものをお腹いっぱい食べてもらおうと言う事で、当日はおでんとご飯のみ!
 介護職の他に栄養士、調理員、看護師、相談員、補佐、ボランティアコーディネーターもフロアに入りお手伝いです。

 ガスコンロの上に土鍋を乗せ、火をかけて煮込みます。皆さんの予想通りの反応に満足した私(笑)
「はんぺん頂戴、」「玉子取って」「ウインナー食べたい」とご利用者の希望に対して大わらわで対応する職員はまるで屋台のおでん屋のオヤジの様でした。
 勿論来て下さったご家族や職員もそこで一緒に食べ、結局110人分のおでんがほぼ完食です。駒場苑は55人定員ですよ!

 当たり前の生活ってなんですか?3食365日家で食事をしている人がいたら手を上げて下さい。そうではなく、もっと自由にもっと楽しく食事していいんじゃないでしょうか。湯気の先に大きな口を開けてさつま揚げを頬張っているご利用者の笑顔がそう教えてくれました。
 次は何やろうかな?楽しみにしていて下さい。


 


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H27.01.31

 「50人面談バージョンアップ」〜私生活の充実〜

 毎年この時期に、常勤職員(月給職員含)の面談を行います。昨年は一人30分を目安に行ったのですが、今年は1時間枠を取り、じっくり話を聞きました。
 と言うのは、職員も普段思っている事はあるんでしょうが、なかなか切り出せなかったり、どう言えばいいか考えてしまうようで、本当にその職員が言いたいことに到達するのは30分以上経過してからが多かったからです。
 1/5〜1/22日までの間に、多い日は8人の面談を行いました。とても有意義でしたが、正直辛い時も有りまして、口は乾くは顎は疲れるは。初めて体験しましたがしゃべり過ぎると舌が筋肉痛みたいになるんですよ(笑)
 意見は多岐にわたり、まとめるのに苦労しましたがやはり
「7つのゼロへの挑戦」のバージョンアップ、個別支援の充実、レクリエーションの充実、食事の充実、看取りの充実、人材育成の充実といったものに来年度取り組んでいきたいという意見が多かったです。
「職員が成長することでもっとご利用者に喜んで頂きたい」という想いなんだと思いました。これらは来年度の事業計画に載せて、計画的に取り組んでいきます。
 さて、面談では職員の話を聞きながら、私からもメッセージを送っています。今回は「良い介護をするなら健康と私生活の充実が大切」ということを伝えました。

 私事ですが、仕事と家の往復ではどうしても疲れてしますので、たま〜に寄り道をします。馴染みのマスターと冗談言いながらかる〜くビールと焼酎を飲み、気持ち良くなってから家に帰ります。
 この一時が「明日も頑張ろう」と言う気持ちにさせてくれます。
 決して家の居心地が悪い訳では有りません。たまには一人になりたい時もある。と言う事です!
 こう言う幸せな時が有ることが私生活の充実として、仕事へも良い影響を与えるんだと思います。一杯の酒が人生の潤滑油になると言う事です。
誤解しないで下さい、決して酒が飲みたくて言っている訳では有りません!

 皆さんにとって生活の潤いってなんでしょうか。そういう一時、そういう仲間、そういう事を大切にして下さい。

 


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H27.01.19

 「駒場苑ファミリー交流会」〜夢の箱の中身〜

 先日、駒場苑の家族会を行いました。今回のメインはこの会の名称選考でした。「家族会」ではつまらないという事で以前からいくつかの案が出され、それに沿って検討してきました。本日参加者全員で検討し、
「駒場苑ファミリー交流会」と決定しました。家族という枠を超えて、関係者がだれでも参加できる、という意味でファミリーとし、新しく入った方でも会の趣旨がわかって頂けるように交流会としました。良いネーミングだと思いますが如何でしょうか?因みに奇数月の土曜の午後に行っていますので、時間が有りましたらお寄り下さい。
又、今回は会の最後に「夢の箱」の中身を全員で数えてみました。
 この「夢の箱」は昨年の8月に設置したもので、
「夢は一人で見るより大勢で見るようが楽しいし、叶った時の喜びも大きいものです。直接的にはご利用者に喜んでいただくことを目的にしていますが、そこに関われた皆さんで喜びが共感出来るシステムが夢の箱です。」…8/4付記事
 日常ご協力頂いた分の他に、DVDとカレンダーの売上、お正月のお賽銭(それ様にコインを用意していたんですが本物のお金を入れてくださった方がおりました)等もこの箱に入れさせて頂きました。

 職員は私と坂野補佐、勝野相談員、ご家族10名の見守る中、勝野相談員が蓋を開けます。
「お〜札がある!」そうなんです、結構な枚数のお札。その後出てきたのが小銭の山。私は大体でいいんじゃないですか?と言っていたんですが、お金に厳しい坂野補佐が他のご家族を巻き込んで1円単位まで数えてくれました。
合計 37,751円
 次回は3月に「駒場苑ファミリー交流会」を開催致します。そこでこのお金を使ってどんな夢を実現できるかを考えたいと思っています。
 是非いい案が有りましたらお寄せ下さい。
 一人ひとりの想いが込められたこのお金で、ご利用者の笑顔が一つ増えるかも?そんな夢を皆で見られるといいですね。


 

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H27.01.13

 「第二 四半世紀スタート」〜計画性、継続性、向上性の充実〜

 冬休みって皆さんどう過ごされましたか?私は毎年暮れに家の大掃除をして大晦日にはアメ横でカニを買って夜家族で食べるのが習慣です。元旦には特養とグループホームに来て新年のご挨拶をし、2,3日は親戚で新年の挨拶を交わして終わります。
 こうして振り返ると結構忙しいんです(笑)がなんとか時間をやりくりして本を数冊読みました。その中の一冊は徳川家康について書かれた本でした。
 今年2015年は徳川家康の没後400年に当たります。家康は皆さんご承知とは思いますが、江戸時代の265年に及ぶ平和な時代の礎を築いた人です。
 他国の王朝を見ますと長く続いても数代後に世が乱れて衰退することが多いのですが、徳川家は吉宗が中興の祖として更に15代も続く幕府を立て直したんです。

 さて、家康がこれだけの事を成し得たのには理由があると思うんですが、私は以下3点が大きな理由だと思っています。

1.計画性です。今川家の人質時代を経て信長に仕え、秀吉に臣従しながらも最後には豊臣家を滅ぼして自らが天下を取るためにという目的を達成します。ただ忍ぶだけならどの大名もしたことですが、家康は目的のために計画的に忍んだんです。

2.継続性です。幕府を開き、天下を治めてもそれを一代で終わらせてはならない。それでは信長、秀吉と同じです。特に秀吉は跡取りが幼少だったため
滅びました。ですから家康は自身が征夷大将軍になった数年後、自身の目の黒いうちに秀忠に職を譲り徳川家の継承を明確にしました。

3.向上性です。初代が偉大だと後が続かないと言われますが、以前からいた家来の他に、多くの人材を登用し幕府の制度を整えることで全国統治の機能を向上させました。

 この計画性、継続性、向上性はどの組織にも当てはまるのではないでしょうか。言い換えれば、この三点が優れていれば徳川幕府の様に長期的に反映できる組織になるはずなんです。
 駒場苑は今年26年目に入りました。もう一度過去の25年を振り返り、計画性、継続性、向上性を向上させて第二 四半世紀のスタートを切っていきます。


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