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2009.7.18
『ノーベル化学賞受賞者:キャリー・マリス博士の話』
最近読んだ本で、印象に残った話をご紹介します。
それは、著者:キャリー・マリス、福岡伸一訳の『マリス博士の奇想天外な人生』という本です。発行所:早川書店、著者は1993年ノーベル化学賞を受賞したアメリカ人、訳者はお馴染みの分子生物学者福岡伸一さんです。
タイトルどおり、この本にはマリス博士の奔放な生き方と科学的考察が多部門にわたって書かれている。利害に捉われず、鋭い科学的根拠とその問題の裏にある私たちにはあまり知らされていない事実が書かれており、読む者に新たな視点を与えてくれる。その中から一部をご紹介したいと思う。@ 環境問題になっているオゾン層破壊について
『今世紀が終わろうとしている現在、社会的に重要とされる問題のうち、それが本当かどうか、きちんとした実験的検証を経ているものは、実はほとんどないのである。そして、その問題に対してなんらかの政策決定が行われるに際しても、検証は必要とされていない。政策決定に必要なのは、選挙民をだまくらかしてそう思わせることだけである。確たる事実だと選挙民が思わされていることのうちいくつかは、ほとんど科学的根拠をもたないし、あるものはまったく無根拠である。
その好例はいくつもある。たとえば、エイズはヒト免疫不全ウイルスによって生じるという考え方、化石燃料を使用することが地球温暖化をもたらすという考え方、また、大気中に放出されたフレオン(フロン)ガスがオゾン層を破壊して穴を作り出すという説、これらの諸説は、日々スーパーマーケットで買い物をするときまでわれわれを追いまわすようになる。これら根拠のない幻想が、われわれの日常生活の隅々まで侵入してくる。人々がこのような幻想を信じるのは証拠を見たからではない。あまりに無防備すぎるからである。
・・・・われわれが日々耳にする栄養と健康の関係はすべてが推測によるものであり・・・・地球環境はこのままだと大変なことになり、それらの変化はみな、人間の諸活動がもたらしたものであると声高に主張してやまない学者がいる。かれらは極めて疑わしい。・・・・われわれの愛する地球の歴史を虚心坦懐に眺めてみると分かることは、地球環境で確実なのは、あるときは住みにくくなる方向へ、あるときは突然、大変動が生じる。こう考えると環境保護運動そのものが急に色あせて見える。そもそも自然の状態そのものが変動するのであれば、ある環境指数の変化にどうしてそれほど頭を悩ませる必要があるのだろうか。いったいどこの誰が、このような空虚な環境のとらえ方を始めたのだろうか?
冷蔵庫やエアコンに使われているクロロフルオロカーボン、その代表的商品名はフロンである。アメリカにおけるフロンの生産特許が期限切れになるのと同時に、フロンの使用が禁止されることになった。これは偶然しては驚くべきタイミングのよさである。世界各国でようやくロイヤリティを払わずにフロンの生産が行えるようになった矢先に、禁止令が出されたのである。そのかわり、新しい代替化合物が登場した。むろんそれは特許で守られている。フロンはこの新製品に置き換えられ、これを生産する企業には再び金が入る仕組みになっているのだ。
オゾン層が減少していることを示す間接的証拠といういのも当てにならない。いわく皮膚ガンが増加している。たとえ皮膚ガンが増加しているとする報告が本当だとしても、それはただちに紫外線量が増加していることにはならない。・・・続く』(なんともすごい話ではありませんか・・!)
A コレステロールにまつわる話
『今夜、妻のナンシーが自分の買ってきた本を私に見せて、「ここにはマーガリンをとらない方がいいと書いてあるわ」と言った。ある栄養学者が書いた本だった。その学者は、マーガリンは体にとって極悪と言い切っていた。・・・この著者が、何故そんなことを言うのか知りたくなって、インターネットで少し調べてみた。・・・ 私はインターネットで「代替脂質」について調べてみた。ある研究結果が述べられていた。それによると、マーガリンは、飽和脂肪酸と比較すると、いわゆる善玉コレステロールと悪玉コレステロールの比にほんの少しだけ変化を与える、ということだった。これだけのことをもってマーガリンが「極悪」ということにはならないだろう。
コレステロールこそが、心臓血管系疾患の重要な指標である、いやそうでない、と言う議論はこれまでも続いてきたが、その当否はどの論文を信じるかで左右される。一方、たくさんの病院で、コレステロール量を測定しては、大きな儲けをあげている。人々は、病院のはじき出したコレステロールの数値に一喜一憂し、善玉コレステロール値を上げ、悪玉コレステロールの値を下げるための、ありとあらゆる努力を惜しまない。そんなことをすることで安心できるなら、どうぞご自由におやりになったらよい。しかし、それは本当は意味のない努力である。実は、善玉と悪玉のコレステロールの比が本当に健康に影響を及ぼしているのかどうか、確実な証明は何もないのである。
コレステロールについて分かっているのは次のような事実である。コレステロールは個々の細胞を取りかこむ膜のかなりの割合を占める構成成分である。コレステロールは人間の体の中で作り出される。作り出される量もコントロールされている。・・・したがって、コレステロールとは、ニワトリが卵の中に送りこむ恐ろしい毒物でもなんでもない。コレステロールは体にとって必要な物質である。だから人間の体内で合成されているのだ。もしコレステロールが体にとって害作用を及ぼすのなら、進化の過程で、人間はもっと安全なかわりの物質を作り出していたはずだ。・・・続く』(興味のある方は本を買ってお読み下さい
2009.7.13
『日食で少し涼しくなるかな・・・?』
梅雨時のこの一週間比較的雨が少なく、本格的な夏の暑さがやってくる前のしばしホッとする時期である。
梅雨が明けると、あの暑く長い夏が来るのかと思うと気が重い。湿度が低く内陸気候の信州に生まれ、おまけに11月生まれなので私の能動汗腺は人一倍少ないようなことを高校の保健体育で教わった。汗かきの私は大学時代夏休みに入ると、さっさと田舎へ帰ってしまった。今は仕事と生活があるのでそうは行かない。忍の一字である。7月22日(水)日本で46年ぶりの皆既日食があり、南の屋久島やトカラ列島で見られるそうだ。東京でも午前9時55分〜12時31分までかなり長時間日食が続く。ピークの11時13分には75%欠け、夕暮れのようになることでしょう。
地球では、太陽と月がほぼ同じ位の大きさに見えることからこの現象が起きる。
太陽は月の約400倍の大きさがあるけれど、地球からの距離も、月より400倍ほど遠いことに起因する。
なんとも不思議ではありませんか!皆さんも目を保護する方法で、この天体ショーを楽しんでください。
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