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 2009.5.25

『新型インフルエンザ』

ついに東京でも新型インフルエンザが広がり始まった。
20日夜に八王子と川崎市で患者が出たと東京都から発表されたが、翌日21日は駒場苑のお膝元目黒区に住む30代の女性の感染発表があった。  

駒場苑では東京都から発表のあった翌朝21日、早速関係スタッフが集まって対応を協議し、ウイルスを駒場苑に入れない対策をしっかり講ずることにしました。 内容は次の通りです。

1. 職員が感染しないよう自己防衛し、ウイルスを施設へ持ち込まない。  
2.施設内の衛生管理を徹底する。
3.家族の面会は当面の間、中止としていただく。(緊急時は除く)  
4.ボランティア・諸行事・見学者等は当面自粛する。  

駒場苑で生活しているお年寄は体力的に弱い方が殆どです。ですから、おひとりお一人が、神様から与えられた命を全う出来るように過ごしていただくことが、私たち職員の使命だと思います。

しばらくの間、皆さんにご不便をおかけするかと思いますが、ご理解とご協力をお願いします。

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2009.5.14

『帰省での出来事』

 ゴールデンウィークが終わって一週間経ち、東京の街にはサツキのピンク色絨毯の季節を迎えた。連休には半年ぶりに家族で帰省した。  

田舎へ帰ると会いに行かなければならない人や、やることも多く、なかなか忙しい。また、91歳になる母が健在なので、様子見を兼ねて孫の顔を見せに行くのも親孝行と思う。大分体力は落ちてきたが、頭は未だしっかりしている。一人住まいなので、やって欲しいことが貯まっていることも多い。高い所の作業や蛍光灯交換、壊れた箇所の直しや力仕事、ちょっと遠くへ買い物に連れて行って欲しいなどと依頼されることもある。今年は、40年位前の全集や百科事典など150冊程の本を片付けたいので、古本屋へ持って行くように頼まれた。
子供や妻と4人がかりで、3時間位かけて片付けることが出来た。

子供も一人前に働いてくれたので、お礼に夕飯をご馳走したいということで、皆で食べに出掛けた。孫たちと食べる食事は殊更楽しかったようで、びっくりする位良く食べた。肉料理も好んでよく食べたので、その様子を見て当分は元気そう・・と安心した。ひとり住まいのお年寄りにとっては、家族と一緒に話をしながら食べるのが一番である。

束の間の団欒を楽しむことが出来た。子供たちのためにも貴重なひと時を過ごせた。

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 2009.4.30

『たらの芽採り』             

八重桜も終わり、街では色とりどりのつつじや草花が咲いている。紫陽花も小さな 花芽を付け始めた。一年のうちで、一番気持ちの良い新緑の季節です。

25日に開催した特養家族懇談会には、約半数のご家族に出席していただきました。主な 内容は、4月からの介護報酬改定による利用料金変更、21年度事業計画に盛り込んだ駒場苑の判断基準・価値基準の説明、駒場苑の目指す介護についての説明をしました。
また、昨年から始めたランチパーティーには5月から、毎月ご家族も順番にお招きする提案をしました。ご家族の方も楽しみにしていただけたと思います。その様子は「駒場苑日記」をご覧下さい。

私は、毎年桜が終る頃になると"むずむず"してくる。遅い花粉症のせいでは無く、 血が騒ぐのである。
20年位前まで信州に居た時代、この頃になると休みの日には山野を駆け回って「たらの芽採り」をしていました。「こしあぶら」と並んで天婦羅にして食べる味は格別。旬のほろ苦い山菜を食べると、不思議と「今年も一年元気に過ごせるぞ!」という気分になります。この時期、信州の何処のそば屋に行っても山菜天婦羅があり、天然物の味を楽しむことができます。バトミントンのシャトル状のものが最高です。

私は30歳過ぎまで、たらの芽を知りませんでした。
ある日、会社の同僚(仇名は虎 ちゃん)が「天婦羅にして食べると旨いよ!」と持ってきてくれました。なるほどその味は絶品。世の中にこんな旨いものがあるのか!と思いました。「今度取りに行ってみるかい?」と言ってくれたので、次の休日早速山へ連れて行って貰いました。
長靴を履き、ナイロンジャンパーを着、帽子と厚い皮手袋、竹篭を肩に懸け、鎌を持って身支度完了です。この時期は冬眠から覚めた蛇に出会うことも時々あります。水溜りにヒキガエルが産卵し、それを狙った蛇を見たこともありました。野うさぎや狸もいます。カモシカと10mの距離で睨み合ったこともありました。山には様々な動物が生きていることを学びましたが、熊だけは怖いです。幸い姿を見たことはありませんでした。
2、3時間かけてひと斜面登ると汗びっしょりになり、遠くの山々を眺めながら休憩するときの気分は最高でした。
懐かしい思い出です。 

<田舎の山頂にある神社で、戸板に書いてあった言葉>

『人は山に登ると仙人になり 里に下れば俗人になる』

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                    2009.4.3.

『20年度のふり返り』

3月21日に桜の開花宣言が出されたまま4月に入り、10日近くも肌寒い日が続いたのも珍しいです。自然はバランスを取る力を備えているのでしょう。この週末は見頃を迎え、満開の入学式を迎えられそうです。

駒場苑は新しい年度に入りました。ついこの間、正月を過ごしたかと思ったらもう4月。そこで、20年度をふり返ってみました。

改善されたと思う4点は、

@ 空調設備の全面改修と特養フロアの改修
A 退職職員の減少
B 入院者の大幅減による稼働率向上(2月:99.7% 3月:100%)
C ホームページによる情報発信

[4項目の説明]

@:長年懸案だった工事を目黒区の支援により実現することが出来ました。特に各フロアにデイルームを設け、椅子に座って過ごしていただくことに取り組み始めた結果がBへも繋がったと思います。

A:特養のシフトに入るスタッフで退職した人は年間3名、結婚・出産・定年退職によるものでした。定年退職の主任は、5月からボランティア・コーディネーターとして引き続き勤務してくれますので、実際は2名です。職員が紹介してくれるケースが増えたことも嬉しいことです。

B:看護スタッフが健康管理に力を入れ、介護スタッフとの連携を密にした結果といえるでしょう。1〜3月中入院者0の日は、延35日ありました。救急対応は昨年6月5日以来無い状態が続いており、"お年寄りを元気に"を目標にしました。

C:リニューアルしたホームページは多くの皆さんに見ていたき、好評をいただいております。これからも駒場苑の様子を発信していきます。

20年度に大きく前進することが出来たのは、スタッフ皆のおかげです。スタッフに"ご苦労様、ありがとう"とお礼を言いたい。また、一年間お世話になった多くの皆様にも、この場を借りてお礼を申し上げます。

そして更なる進化を目指し、このたび駒場苑の価値基準を次のように定めました。

      『すべては お年寄りの元気のために 
                スタッフの人間的成長のために』

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                                2009.3.23   

 『春が来たよ!』  

3月も下旬に入り、いよいよ春がやってきた。

この冬、1月前半は寒い日が続いたが、その後は例年に無く暖冬だった。街に雪が積ったのは1度だけ。それも朝には解けて雪かきには至らず、雪かきの無いまま春を迎えるのは何故か引っ掛かる。寒い地方出身者の習性か。冬でもヒートアイランド現象による温暖化が着実に進んでいるのを実感する。

毎日歩く駅への通勤路に、1本早咲きの太い桜がある。
毎年他の木より何日か早く咲くソメイヨシノである。今週始めから毎日木の前に佇み、「ぼつぼつだなァ・・・」と心の中で呟きながら眺めていました。 19日(木)、出勤時にピンク色だった蕾みが帰りにはようやく開花。街灯に薄明るく照らされた木と対面しながら、思わずその数を勘定してみると、約40輪でした。その木は毎年「春が来たよ!」と、まっ先に叫んでいるようです。その"けな気"な思いが木から伝わってくるようでした。

21日には東京で開花宣言が出たので、いよいよ春本番を迎えます。
"桜咲いたら1年生・・"の歌が入学式にぴったりでしたが、今年は散ってしまいそうです。皆さんもいろいろな花見をお楽しみ下さい。

愛隣会の桜が咲いたら、「花見をしながらお昼を食べたいね〜」という声を聞いてましたので、今から楽しみです。

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2009.3.9

 『雪が解けたら・・・?』

先日、感動の卒業式に参加させていただいたのでご紹介したい。
その学校は代々木にあるフリースクール『東京国際学園高等部』。
愛隣会とは10年以上前から交流している学校です。学園長の荒井裕司氏は、2006年に社会貢献支援財団から「不登校や引きこもりの子どもの家へ自ら出向く『夜の家庭訪問』を20年以上続けて1000人以上の子どもと関わり、東京国際学園高等部や『登校拒否の子どもの進路を考える研究会』を設立して社会復帰を援けるなど、不登校や引きこもりに苦しむ多くの親子を救ってきた」功績で表彰されました。  

生徒の多くは、今の教育制度に馴染めなかったり、友達との関係に傷ついて学校に行けなくなったけれど、教師の暖かい愛情と励ましによって卒業式を迎えることになったのです。
式は2時間あまりにわたり、達成を果たした生徒たちへ荒井学園長は暖かいメッセージを送りました。 その話の中で、2日前に降ったという雪を長野から持ち帰えり、山盛りにしたボールを皆に見せながら次のように話しました。

・・・・・・
生徒たちに 「雪が解けたら何になりますか?」 と質問したら、皆は 「水、水になる・・」と答えました。 「そうです、水が正解です。今の指導要領では水が正解です。」 しかし、一人だけ 「春になる!」と答えた生徒がいました。 「これは×(バツ)です。」 「しかし、私はこの生徒に◎(二重丸)をあげたい。」 「雪が解けたら春になる。春になったら草木が芽を出し、花が咲き、やがて桜が咲く。 私はこういう感性を大切にしたいと思います。」
・・・・・・
 
今の時代に"人を育てる"教育をする教師、感性豊かな教師は減っているのかもしれない。偏差値至上主義の教育現場。すべてに効率と近道を求め、「急がば廻れ」という価値観は見られない。マニュアル通りが求められる。裏返せば、人間もロボットと同じように"書いてある通りにやる、それ以上は考えなくてよい!"ということに他ならない。それは人間性を否定することになるのではないか。
個を尊重するということは他人と違うことを認めることであり、今の子どもたちは他人と違うことを恐れる。他人と同じことをしていれば目立たずに安心、という風潮が強い。そんな中で家族に支えられ3年間頑張って卒業を迎えた子どもたちの姿に、式に参加した皆は感動の涙をもらいました。

 

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