2008.12.13
『星座めぐり:冬編』
師走に入り、めっきり寒くなり、星の美しい季節の到来です。 今回も星の話にお付き合い下さい。
私は通勤の帰りに環七の歩道橋を渡りますが、そこからは見晴らしが良く、暫し夜空を眺めてから自宅へ向かいます。今頃見える冬の星座は大変美しく、その形も特徴的なものが多いです。星を眺めることにより、遥か彼方のロマンに誘われる想いです。
夕方、東の空にはオリオン座の台形の中に三つ星が垂直に立ち、雄大な冬の星座が登場します。これからの季節は寒いけれど大気が澄み、星が美しく見えて楽しい。6個の一等星が見えるのはこの季節ならである。オリオン座の上はおうし座、その少し上には『すばる』がある。漢字は『昴』で、平安時代の記録にも残っています。正式には『プレアデス星団』という名前ですが、澄んだ東京の夜空でも残念ながら肉眼では5個位の星の塊にしか見えません。空気の綺麗な田舎に行けば7〜8個、双眼鏡なら30〜40個は見えます。何個見えるか自分の視力を確認するのにも良いでしょう。
オリオン座の三ツ星の右下あたりに斜めに小さな三ツ星があり、そこには有名なオリオンの大星雲があります。大きな望遠鏡で見ると、馬の頭の形をしていて"馬頭星雲"とも呼ばれている暗黒星雲です。
三ツ星の方向を南下すると、そこには青白くひと際明るい星、おお犬座の「シリウス」が輝いています。冬の南空に象徴的です。
オリオン座の左は明るい1等星「カペラ」があるぎょしゃ座。以前、某自動車メーカーの車名にこの名が使われていたのを懐かしく思い出します。ぎょしゃ座の南には双子座と仔犬座があります。ギリシャ神話でこの双子の名前は"カストルとポルックス"と呼ばれています。
一方、北に目をやるとカシオペアがあり、WあるいはMの形をしているので皆さんご存知でしょう。カシオペアに並ぶように天頂から西へ向ってアンドロメダ座があります。
肉眼で見える唯一の星雲、「アンドロメダ大星雲」です。ペガサスの方形から3番目の星がガイドで、よく天体写真集に出てくる紡錘形の渦巻星雲です。一見雲のように見えますが、実は無数の恒星の集まりであることが有名な天文学者ハッブルによって発見されました。その数は約2000億個、銀河系とは兄弟のように似た姿で、距離は200万光年の彼方にあり"お隣さん"に位置しています。私も晴れた夜に何回か見ましたが、肉眼では確認することが出来ず、東京では双眼鏡でも難しいでした。あの位置に"もやッ"としたものが見えるはず!と思って見ても確認できませんでした。空気の澄んだ田舎では、はっきり見ることができます。
夕方西の空を見ると、明るい星が2個あります。1つは木星でマイナス2等星、すごく明るい星は"宵の明星"と呼ばれる金星で、マイナス4等星です。12月はじめにはかなり接近していましたが、今は徐々に離れてきました。1等級違うと明るさは2.5倍になるので、金星のマイナス4等星というのは1等星と明るさを比較すると2.5の5乗
=97.6となり、約100倍明るいということになります。
これからの季節は寒いですが、それ故星は美しく見えます。皆さんも機会がありましたら是非夜空を眺めてください。
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