*---- 施設長のひとこと ---------------------- もくじ -- home * back * --------------*

         
 
 
   

                             2008.12.24

『クリスマス・メッセージ』

 最近、素敵なクリスマスのお話を目にしました。フェローシップ・ディコンリー福音教団上田富久子牧師のメッセージを、皆さんにご紹介したいと思います。 

『 クリスマスというのは、イエス・キリストの誕生を喜び、お祝いする日です。イエス様を題材に、多くの芸術が生まれました。その中の一つ「アルタバル」というクリスマスのお話があります。

 イエス様の誕生を一つの星が告げました。アルタバルは、幼子イエスに会うために、その星を目当てに旅路を急ぎます。けれどその途中で病に苦しむ人に出会い、アルタバルはあせる心を押さえてその病人を介抱するのです。そしてようやく彼がたどりついた時には、幼子イエスは暗殺者の手を逃れて、エジプトに向かった後でした。アルタバルはとぼとぼと故郷に帰りました。でも、そこで貧しい人、病に苦しむ人とともに生きていこうと決心します。彼が再びイエス・キリストの名を耳にしたのは、それから随分の年月が経ってからでした。アルタバルはすっかり年をとっていました。
 「イエス・キリストという方が、ゴルゴタの丘で十字架につけられるそうだ。この方はいつも苦しむ人、病む人と共にあり、彼らを癒し、慰め、励まして来た、何の罪も無い方なのに。」それを聞いたアルタバルは矢も楯もたまらず、今度こそイエス様に会うべく、弱った足腰を励ましゴルゴタの丘へと向かったのです。しかし、その途中で、またも彼の助けを必要とする悲惨な家族に出会ってしまいます。そして今度もまた、その家族を見捨てていくことのできないアルタバルでした。
 彼がゴルゴタの丘についた時、イエス様は十字架の上で既に息絶えていました。アルタバルは十字架の下で叫びます。「イエス様、とうとうお会いすることはできませんでした。」その時イエス様の声が聞こえました。

 「アルタバルよ、あなたは何度も何度も私に会っています。いや、私はいつもあなたと共にいたのです。あなたが食べ物を渡した貧しい人、介抱した病んだ人、水を与えた渇いた人、その中に私はいたのです。あなたがそれらの人たちにしたことは、私にしたことなのです。今日まで、あなたを支え、励まし、あなたを生かして来たのは私なのです。」

 『今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。』

今日、私たちのために救い主がお生まれになりました。
今日、私の心に救い主がお生まれになりました。
今日、あなたの心に救い主がお生まれになりました。   

このことばが、クリスマスの夜の町に鳴り響いています。』

        

もどる  

   
     
         

 

         
 
 
   

 2008.12.22

『お年寄りが元気になってきた・・!』  

早いもので、今年も残すところ10日になりました。   

例年この時期は空気が乾燥し風邪が流行る季節ですが、駒場苑では幸い精神科への入院者1名だけで、救急対応が半年以上無い状況が続いています。従来には無かった嬉しい現象で、最近家族から「駒場苑に入所してから元気になりました」と嬉しい言葉もいくつかありました。

これは医務スタッフと介護スタッフの連携が良くなってきたことが考えられます。医務スタッフは体調の変化を注意深く観察し、ドクターと連携を取って今後の予測がうまく出来ているからでしょう。介護スタッフもナースを信頼し、引き継がれた指示に従った処置をとります。迷った時には夜間のオンコールで相談できるのも心強いです。  

また、椅子に座って過ごすことへの取り組みも、徐々に効果が出てきているのかもしれません。夏の改修工事でデイルームが広がって周りの景色も見晴らしが良くなり、開放感が出ました。

そして今年は退職者が少なく、スタッフの表情にゆとりが感じられます。求人に際しては職員が友人を紹介してくれることも増えてきました。駒場苑にとって嬉しい変化で、職員皆が頑張ってくれている結果と感謝したい。

        

もどる  

   
     
         

 

         
 
 
   

   2008.12.13

『星座めぐり:冬編』  

師走に入り、めっきり寒くなり、星の美しい季節の到来です。 今回も星の話にお付き合い下さい。

私は通勤の帰りに環七の歩道橋を渡りますが、そこからは見晴らしが良く、暫し夜空を眺めてから自宅へ向かいます。今頃見える冬の星座は大変美しく、その形も特徴的なものが多いです。星を眺めることにより、遥か彼方のロマンに誘われる想いです。

夕方、東の空にはオリオン座の台形の中に三つ星が垂直に立ち、雄大な冬の星座が登場します。これからの季節は寒いけれど大気が澄み、星が美しく見えて楽しい。6個の一等星が見えるのはこの季節ならである。オリオン座の上はおうし座、その少し上には『すばる』がある。漢字は『昴』で、平安時代の記録にも残っています。正式には『プレアデス星団』という名前ですが、澄んだ東京の夜空でも残念ながら肉眼では5個位の星の塊にしか見えません。空気の綺麗な田舎に行けば7〜8個、双眼鏡なら30〜40個は見えます。何個見えるか自分の視力を確認するのにも良いでしょう。
オリオン座の三ツ星の右下あたりに斜めに小さな三ツ星があり、そこには有名なオリオンの大星雲があります。大きな望遠鏡で見ると、馬の頭の形をしていて"馬頭星雲"とも呼ばれている暗黒星雲です。

三ツ星の方向を南下すると、そこには青白くひと際明るい星、おお犬座の「シリウス」が輝いています。冬の南空に象徴的です。 オリオン座の左は明るい1等星「カペラ」があるぎょしゃ座。以前、某自動車メーカーの車名にこの名が使われていたのを懐かしく思い出します。ぎょしゃ座の南には双子座と仔犬座があります。ギリシャ神話でこの双子の名前は"カストルとポルックス"と呼ばれています。

一方、北に目をやるとカシオペアがあり、WあるいはMの形をしているので皆さんご存知でしょう。カシオペアに並ぶように天頂から西へ向ってアンドロメダ座があります。 肉眼で見える唯一の星雲、「アンドロメダ大星雲」です。ペガサスの方形から3番目の星がガイドで、よく天体写真集に出てくる紡錘形の渦巻星雲です。一見雲のように見えますが、実は無数の恒星の集まりであることが有名な天文学者ハッブルによって発見されました。その数は約2000億個、銀河系とは兄弟のように似た姿で、距離は200万光年の彼方にあり"お隣さん"に位置しています。私も晴れた夜に何回か見ましたが、肉眼では確認することが出来ず、東京では双眼鏡でも難しいでした。あの位置に"もやッ"としたものが見えるはず!と思って見ても確認できませんでした。空気の澄んだ田舎では、はっきり見ることができます。

夕方西の空を見ると、明るい星が2個あります。1つは木星でマイナス2等星、すごく明るい星は"宵の明星"と呼ばれる金星で、マイナス4等星です。12月はじめにはかなり接近していましたが、今は徐々に離れてきました。1等級違うと明るさは2.5倍になるので、金星のマイナス4等星というのは1等星と明るさを比較すると2.5の5乗 =97.6となり、約100倍明るいということになります。

これからの季節は寒いですが、それ故星は美しく見えます。皆さんも機会がありましたら是非夜空を眺めてください。

もどる  

   
     
         

 

         
 
 
   

2008.11.25    

『ちよだ鮨』さんに感謝!  

17日に『ちよだ鮨』さんが今年も来てくださり、美味しいお寿司を皆さんに振舞って下さいました。
駒場苑創立20周年記念式典を26日に行なうにあたり、ご利用者の皆さんに握り寿司を食べていただこうと、今年もお願いしました。
20名近い若者男女が来てくださり、握る様子を見ていると、気持ち良い手捌きで桶はいっぱいになっていきます。
出来たお寿司は、昼食に特養の各フロアー、デイサービス、グループホームへと分かれて配達されました。皆さん食欲旺盛で、お代わりもしっかり終了しました。
その様子は「駒場苑日記」で紹介しています。
日頃、「刻み食」の方でも結構そのままで食べている姿に、栄養士は感動と学びの感想を洩らしていました。  
いつも来るご家族の方にも一緒に味わっていただき、楽しいひと時を過ごしていただけたと思います。美味しく食べる皆さんの表情は最高でした。

"ちよだ鮨さん"  ありがとうございました・・・感謝!

 

もどる  

   
     
         

 

         
 
 
   

2008.11.5

『晩鐘』

『晩鐘』というタイトルの絵画に、2枚の作品があります。 

一枚は19世紀フランスの有名な画家ミレーの作品。『落穂拾い』は昔、美術の授業に出てきたのを思い浮かべる方もいることと思います。当時の貧しい農家をテーマにした作品が多く、反社会的な作品ということで社会からは批判を浴びたそうです。『晩鐘』の作品は、畑で仕事をしている貧しい夫婦が教会から聞こえてくる鐘の音で夕の祈りをしているシーンです。妻の背景の彼方に小さな尖塔の教会が描かれています。一日が無事に終わる感謝を祈る貧しい夫婦の姿には、厳かで穏やかな空気が漂う作品です。  

もう一つは東山魁夷の作品で、ドイツ南西部フライブルクの大聖堂を描いた絵です。この作品は諏訪の北沢美術館に所蔵されており、美術館の作品案内をご紹介いたします。  

【ドイツ南西部の都市フライブルク市のシンボルともいうべき大聖堂は、中世の時代に160年近い年月を要して建築されたそうです。1969年の4月から9月にかけてドイツ、オーストリア古都を巡って写生旅行を続けた東山魁夷は、この光景を次のように記しています。
『巨大な寺院は、その姿を逆光の暗さに沈め、夕影に蔽われたフライブルクの街の上に聳えていた。緩やかな起伏を持つ遥かな地平線を、高い尖塔は垂直にきる。金色に縁取られた雲間から、幾条かの光の足が、塔の真上に放たれていた。街の背後の城山(シュロスベルク)から、妻も私もこの崇厳な光景を前にして、無言で立ちつくしていた』】  

私は未だ北沢美術館に行ったことは無いけれど、この絵に強く惹かれた。
そもそも東山魁夷という画家が好きなのである。平山郁夫と並んで日本画壇の巨匠として有名だが、その作風はとてもモダンで色の使い方が奥深く、日本画とは思えないロマンを感じる。
かつて、東山魁夷が長野県に作品を寄贈し、東山魁夷美術館が長野市に建設されたので見に行きました。その時以来、東山魁夷の世界が好きになりました。一流の芸術家の作品は、どれをとっても"手抜き"を感じることがありません。作品から伝わって来るものがあります。
その東山魁夷美術館にもこの『晩鐘』の作品があるのですが、実は、これは複製であることを学芸員の方から聞かされました。「本物は北沢美術館にあります」と。北沢美術館よりは全体に、やや赤みが強いようです。

 『この絵を見ていると、私たちを雲間の彼方に誘ってくれるような気がします。』

 

もどる  

   
     
         

 

home * page_top * back *
********************************************

東京都目黒区大橋2−19−1
TEL 03-3485-9823 FAX 03-3485-9825
**********************************************************************